選定取扱図書 N16248


2017 車載カメラ徹底解説


 

 刊 行:2016年10月17日 
 体 裁:A5判、248頁(カラー183頁)、マット紙 

 価 格:29,800円(税込)

 

  発行 共創企画

 

 

 登場から10年も経ないにもかかわらず、Smartphoneは世界中に浸透しています。しかし、2016年には早くも
成熟期にさしかかりつつあるようです。一方、それが作り出したCloud Computing環境は時間とともに巨大化し
ています。そこで、Smartphone市場が飽和する前にそのServer能力を有効活用すべく、2014年、Smartphone
のOSメーカーはInfortainment OS市場に突如参入しました。それは、Smartphoneと車載DA(Display Audio)を
連携させるものであり、15年以上前から自動車業界が普及を目指し努力してきた「Connected Car」を普遍的
に実現させるものだったのです。
 また、スバルなどが発端を作った「ぶつからない車」は世界中で評価され、自動車の予防安全性を高める
ADAS (Advanced Driving Assistant System) 機能が急激に普及しています。現在、ADASは自立型で自動
車、歩行者、二輪車などの画像認識を行っています。しかし、「つながること」により得られる膨大なデータ(ビ
ッグデータ)も効率的に利用しない手はありません。ビッグデータを処理する手法としては、以前から「ベイズ
統計処理」が有望とされていました。ところが2000年初頭では、その演算処理を行うための有効な手法が見
いだせず、さらにはServerの演算能力も不足していました。この状況を打開に導く要因となったのは、2006年
に発表されたAI(Artificial Intelligence:人工知能)の一種である「Deep Learning (多層ニューラルネット/ 深層
学習方式)」です。
 さらにここ数年、それら膨大なデータを高速に処理するため、従来のCPUに替わり高速CPU、GPU、FPGA
がServerに採用され始めました。その結果、個々の自動車が入手した画像データをServerに吸い上げること
により、画像認識の精度を大幅に高める下地が整いつつあります。さらに、Deep Learningは「自己学習」が
可能なことが特徴です。
 データが多ければ多いほど学習精度は高まります。つながることによる「知能の向上」と、ADAS機能の性
能向上とが相まって、長年にわたり各社が実現を目指して研究してきた自動運転の実現が加速されていま
す。さらにつながることにより、すべての『もの』が「知性」を持てるようになります。その状況を「IoT」と呼称し
ていますが、その実態は「Intelligent Ubiquitous Networking」なのです。とはいえ、すべての『もの』がより賢
くなるためには、膨大な画像データが必要です。そのためすべてのものでカメラモジュールの果たす役割は
今後ますます高まっていきます。
 車載カメラでは、全周囲の画像情報取得用、死角のSensing用、さらに死角解消・燃費向上を目的としてド
アミラーを廃止しその機能を置き換える用途にまで及んでいます。さらに、大きな明暗に対応したHDR機能、
超高感度化など車載用として以前から必要とされていた機能の高度化に加え、昼夜の歩行者検出機能が
EURO-NCAPの加算対象になったことから、昼夜利用できるRGB + IR(InfraRed: 近赤外線) カメラや、暗闇
でも人、動物を確認できる遠赤外線(FIR: Far InfraRed) カメラなど「赤外線」を採用する事例も増えています。
従来非常に高額だった遠赤外線カメラでは、WLOの採用により低価格化を図る手法が開発され、車載用だ
けに限らずSmartphoneへの採用も始まっています。
 車載カメラというと、以前は「高感度」を実現するためImage SensorはCell Sizeが大きいものの方が良いと
されていました。しかし、Cell Sizeの大きいImage Sensorを使用したカメラモジュールは、どうしてもサイズが
大きくなってしまいます。ADAS、自動運転の進展にともない多数のカメラが自動車に搭載されるようになると、
現在の大きなカメラモジュールでは「カメラばかりが目立って、気持ちが悪い」と感じる人も増えています。そ
のため、車載カメラでは「小型化」が新たな重要仕様となってきています。小型化実現にはWLOを使ったリフ
ローカメラモジュールが最適です。超小型でどこにでも実装できるリフローカメラモジュールは、IoT時代の
本格化にも大きく貢献できるものであると確信します。
 本書では、車載カメラを取り巻く環境の変化、自動運転に向けた自動車業界の動向、車載カメラの市場・
技術動向、そして将来的にIoTに向かう市場の流れ、IoT時代には最適なWLOを使用したカメラモジュールな
ど、多面的に徹底解説しました。

                                          中條博則

 

 

著者 

中條 博則
  共創企画 代表 

 

【第1章・自動運転に向かう業界動向】

1 自動車の安全性追求

 1.1 国際的な交通安全目標の策定
 1.2 日本の交通事故低減への取り組み
   1.2.1 交差点での衝突事故を減らす「ラウンドアバウト」の導入
 1.3 自動車の安全性向上への取り組み
 1.4 Telematics 1st Generationで最も進んでいた日本の取り組み
   1.4.1 Galapagos化に向かう?ITS-Connect


2 IT企業参入による急激な変化

 2.1 人工知能により賢さを増す「すべてのもの」
 2.2 Smartphoneの源流「Apple・Newton」
   2.2.1 iPhoneの「事業的成功」の根幹『Localize Free』の実現
      
Localize Freeが分かっていない?Microsoft
   2.2.2 Jonathan Iveが確立したInteraction Design
   2.2.3 3次元空間での「Interface」と「Interaction」の事例
 2.3 Smartphoneが確立したCloud Computing環境
 2.4 巨大Serverを背景にInfortainment市場に突如参入したIT企業
   2.4.1 車載器からハッキングされたFCA「Cherokee」
   2.4.2 『邪悪』への反発を強める自動車業界
 2.5 車載市場に参入したIT企業、その真の狙いとは
 2.6 急激に進む「Deep learning」への取り組み


3 加速する自動運転技術

 3.1 ADASの普遍化により現実味を増す自動運転
   3.1.1 ADAS用カメラシステムでDe-facto化が進む「Mobileye」
 3.2 Sensor Fusionが進むADAS、Key Wordは「Frugal Innovation」
 3.3 自動運転の分類と関連国際法
   3.3.1 自動運転車における4次元の「Interaction」とは
   3.3.2 特有の「危険」が内在する現行の自動運転Level 3
 3.4 自動車安全立法、ADAS普遍化により急拡大する車載カメラ市場
 3.5 Level 3機能先取り?、「走るSmartphone」Tesla Model S
 3.6 「もう一つのITの雄」Appleの自動運転車への取り組み
 3.7 Level 4 自動運転車量産に向け動き出したGoogle


【第2章・車載カメラの市場・技術動向】

1 車載カメラへの要求特性

 1.1 カメラ機能が重要な役割をはたす製品
   1.1.1 各種製品用カメラモジュール/ Image Sensor市場動向
 1.2 車載カメラの製品分類・市場動向 (e-mirror解禁)
   1.2.1 主な車載カメラの搭載個所と課題
   1.2.2 Viewingカメラの市場動向とSupply Chain
   1.2.3 Sensingカメラの市場動向とSupply Chain
 1.3 車載カメラの技術動向
   1.3.1 Image SensorのCell縮小、感度向上施策が実現する小型車載カメラ
   1.3.2 積層型CMOS Image SensorによるFFカメラの小型化
   1.3.3 小型車載カメラの放熱設計
   1.3.4 実装技術の工夫・薄型材料により実現する小型車載カメラ
   1.3.5 部品内蔵基板により実現する小型車載カメラ
      
部品内蔵基板の分類と開発品事例
   1.3.6 リフロー化により実現する小型車載カメラ
      
リフローカメラモジュールの重要性
     
 ●リフロー実装技術の歴史
      
リフロー化の難易度を押し上げたRoHS指令
      
リフローカメラモジュールの分類
      
TSV技術により実現したImage SensorのCSP仕様
      
CSPベースリフローカメラモジュールの製造フロー
      
既存製法とリフロー仕様のカメラモジュール比較
      
複数のリフローカメラモジュールによる広角撮像システム
      
複数のリフローカメラモジュールによる多機能モジュール
      
量産中のリフローカメラモジュールの事例
 1.4 設置個所により異なる車載カメラへの要求特性
   1.4.1 車載カメラ用Lensなどに要求される特性
   1.4.2 ナノインプリントによる反射防止構造「SWS」
 1.5 FIR (遠赤外線) カメラの概要およびコストダウン技術
   1.5.1 FIRカメラの市場動向
   1.5.2 FIRカメラ用Lensの種類と特徴
   1.5.3 FIRカメラのコストダウン手法
      
FIRカメラ既存メーカーFLIRの「ジレンマ」回避の事業戦略【世界初、FIRカメラ搭載Smartphone実現に向けた低コスト化技術】
      
車載FIRカメラ市場に新規参入するBAEの低コスト化技術
 1.6 次世代本命?新たな昼夜兼用ADAS技術「BrightEyeTM」


2 Display画素数との関係

 2.1 車載カメラの画素数に影響するDisplay画素数の動向
   2.1.1 Display解像度の適否を判定する「視力」の基礎知識
 2.2 視認距離により異なる適正解像度
 2.3 車載Displayの適正解像度
 2.4 Smartphone市場で採用が急増する有機EL
   2.4.1 有機ELの市場動向、Keyとなる製造設備
 2.5 静電容量式Touch Panelの種類と車載用への展開
   2.5.1 車載用Touch Panelの市場動向
 2.6 GorillaR Glass採用、よりSmartphoneらしさを増す自動車


3 Image Sensorの技術動向

 3.1 CCD Image SensorとCMOS Image Sensorの差異
 3.2 Image Sensorの市場動向
   3.2.1 Smartphone用CMOS Image Sensorの市場動向
   3.2.2 車載用Image Sensorの市場動向
 3.3 車載用にも転用可能、高CRA Lens対応Image Sensor技術
   3.3.1 「色シェーディング」を抑制する高CRA対応IRCF
   3.3.2 車載用でも感度向上に有効なBSI Image Sensor
   3.3.3 車載用でさらなる感度向上に寄与する素子分離型 Image Sensor
 3.4 Smartphone用カメラモジュール低背化技術
 3.5 Smartphone用CMOS Image SensorのCell Size微細化Trend
   3.5.1 光学サイズの定義
   3.5.2 光学サイズと光路長の関係から低背レベルを表すHeight Rate
 3.6 車載カメラに必要なImage Sensorの機能
   3.6.1 Image Sensor のHDR (High Dynamic Range) 機能
      
光学系のDR拡大に必須な不要反射光低減の工夫
   3.6.2 Global Shutter
   3.6.3 LEDフリッカ抑制
   3.6.4 昼夜兼用「超高感度カメラ」、「RGB + IR カメラ」
 3.7 FIR (遠赤外線) Image Sensor
 3.8 特殊構造のImage Sensor
   3.8.1 シリコンフォトダイオードによる垂直色分離型Image Sensor
   3.8.2 有機CMOS Image Sensor
   3.8.3 究極の超小型Lens-less Image Sensorの概要


4 Lens設計の基礎

 4.1 Lensの性能を決める収差の種類と今も生きる「基本設計」
 4.2 さまざまなLens材料とその特徴
 4.3 熱可塑性樹脂Lens設計上の注意
 4.4 熱可塑性樹脂Lensの製造プロセス
 4.5 特定メーカーの強さが際立つSmartphone用Lens
 4.6 Lens仕様要求上の注意点
 4.7 微細Cell SizeのImage Sensor用Lens設計のあり方
   4.7.1 Image SensorとカメラモジュールのMTF
 4.8 Lensが解像可能なCellの微細限界


5 各種耐熱Lensの特徴

 5.1 耐熱Lensの分類
 5.2 各種耐熱Lensの製法と特徴
   5.2.1 移動金型式GMOの製法と特徴
   5.2.2 Injection Mold方式熱硬化性樹脂Lensの製法と特徴
   5.2.3 Hybrid Lensの製法と特徴
   5.2.4 「超々薄型化」が可能なCasting Lensの製法と特徴
      
Casting WLOの金型製法の特徴と他方式との比較
 5.3 Hybrid WLOとCasting WLOメーカーの導入装置
 5.4 WLOの非球面測定法
 5.5 複屈折が解像度に与える影響と、各種Lensの複屈折の実力
 5.6 各種Lensの材料費比較
 5.7 各種Lensの設備投資額比較
 5.8 熱可塑性樹脂Lensコストを凌駕するCasting WLO
 5.9 Casting WLO用「Monolithic樹脂」の特徴
   5.9.1 Monolithic樹脂の耐熱特性
   5.9.2 Monolithic樹脂の光学特性
   5.9.3 Monolithic樹脂を使用したCasting WLOの設計値との誤差
 5.10 超短Pulse Laser DicerによるWLO個片化技術
   5.10.1 Hybrid WLO個片化技術の問題点
   5.10.2 非熱加工を可能にする超短Pulse Laser Dicer(旧ミシガン特許)
   5.10.3 薄型GorillaR Glass切断に生かされた超短Pulse Laser Dicer
   5.10.4 Sapphire Glass切断にも応用可能な超短Pulse Laser Dicer


【第3章・IoTに向けた業界動向】

1 半導体市場動向

 1.1 2015年に吹き荒れた半導体業界再編の嵐 -
  1.1.1 車載用主要半導体の市場動向
      
M&Aによる勢力図の変化
      
ON Semiconductorの車載半導体Business戦略
 1.2 主要車載半導体の市場動向、シェア、Supply Chain
      
車載用MOSFETの市場規模推移・予測/ Market Share】
      
車載用MPUの市場規模推移・予測/ Maker Share/ Supply Chain】
      
車載用Power ICの市場規模推移・予測/ Maker Share/ Supply Chain】
      
車載用Radarの市場規模推移・予測/ Maker Share / Supply Chain】
      
車載用LIDARの市場規模推移・予測/ Maker Share/ Supply Chain】


2 ますます高まるカメラの役割

 2.1 そしてすべての『もの』がCloudにつながる
   2.1.1 Cloud Deep Learning対応に向け加速するServerの性能向上施策
   2.1.2 自動運転実現に必須な「2種類のDeep Learning」の融合
   2.1.3 すべての『もの』に知性を与えるのか?「Neuromorphic Chip」
   2.1.4 Droneの市場動向
      ●日本のDrone事情
   2.1.5 IoT時代本格化に向けた家電系のIT標準化技術の覇権争い
 2.2 すべての『もの』に必須なカメラ機能 / Camera for IoT


 

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