
あなたは、2週間以上にわたってゆううつ気分が続いたことはありませんか?
また、いつも楽しんでいた活動に興味や喜びを感じられなくなったことはありませんか?
このような症状があるとうつ病の可能性があります。
うつ病は正常な気分の状態を維持することができなくなる気分障害のひとつで、誰でもなる可能性があります。最近の研究では日本人のうつ病の有病率は6.5%と報告されていますが、欧米では10〜25%といわれています。男女比では女性は男性の2倍うつ病になりやすく、特に20才代、30才代で発症する女性が多いようです。
うつ病は脳内の神経伝達物質の変化が関与する疾患であることが判明してきました。
精神的ストレスがうつ病の引き金になることがありますが、明らかな外的要因がなくてもうつ病を経験する人もいます。
また、うつ病ではゆううつ気分だけでなく身体症状が前面に出ることがあります。疲れやすい、だるい、落ち着かない、食欲がない、寝られない、などのほか息切れ、めまい、寝汗など多彩です。ゆううつ気分やこのような身体症状が短期間で自然に軽快するときは特に心配ありませんが、2週間以上続くときはうつ病も疑って医療機関を受診してください。
今回は女性特有の4つのうつ病性障害を解説します。
1. 月経前気分不快障害
多くの女性は月経の10日前くらいから軽度の乳房の緊満感や圧痛、軽い気分の変化を感じることがあり、これは月経前症候群と呼ばれています。月経前気分不快障害は重症の月経前の状態で、うつ気分、イライラ感、不安感などが強く、そのため仕事や学業、社会活動や対人関係に支障があらわれてしまいます。これらの症状は月経周期の中頃に起こる排卵の後に定期的に現れ、月経前の週に悪化して月経期に消失します。治療法として生活面では、アルコール、カフェイン、塩分を控え、カルシウムを摂取し定期的な運動をすることが薦められていますが、重症の場合は薬物療法が必要です。
2. 妊娠期うつ病
妊娠中は情緒的に安定した時期と思われていますが、妊娠中でもうつ病が発症することがあります。10〜20%の妊婦さんが何らかのうつ症状を経験するといわれます。特に過去にうつ病にかかった女性は、妊娠中にうつ病が再発する率が高いようです。重症のうつ病は遷延分娩、早産、出生時低体重など母体や胎児に影響することがあるため、専門医に相談してください。妊娠中でも抗うつ剤などの治療が必要なことがあります。
3. 産後うつ病
お産のあと3〜4日して涙もろくなったり、不安になったり、イライラしたりすることがあり、マタニティブルーと言われます。マタニティブルーは症状も軽く2週間以内には症状が消失しますが、産後うつ病は症状が重篤です。産後うつ病は出産後数日以内であろうと、数週間後であろうと、いつでも発症する可能性があります。疲労感、不安感が強かったり、うつ気分が長く続くときには、産後うつ病として早めに治療したほうが良いでしょう。薬物療法のほか、カウンセリングや周囲の家族などの育児サポートが大切です。
4. 更年期うつ病
閉経期に入った女性は、社会的な喪失感などから「空の巣症候群」などと言われるように、多少のうつ気分を感じても正常過程と思われています。しかし、この時期は人生半ばの移行期であり、女性がうつ病にかかりやすくなる時期でもあります。閉経期は卵巣機能の低下によって軽い気分障害、不眠、のぼせなどの自律神経失調症状がよくみられますが、一部の女性ではこうした症状が進行して更年期うつ病として知られる重症の気分障害になります。治療法として抗うつ剤のほか、ホルモン補充療法(エストロジェン、プロゲステロンなど)が薦められます。
抗うつ剤などの薬剤は胃腸障害などの副作用が出ることがありますが、医師は少量から開始し用量を調節していきますので、ご自分で勝手に服薬を加減してはいけません。薬を1〜2ヶ月服用してはじめて効果があるかどうかわかることもあります。
カウンセリングもホルモン補充療法も効果が出るまで時間がかかりますので、じっくりとあせらず治療して、うつ病を克服してください。
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